共和党 (アメリカ)

共和党(きょうわとう、Republican Party)は、アメリカ合衆国の政党。国際民主同盟加盟。民主党とともにアメリカ合衆国の二大政党制を構成する。一般的にはリベラリズムの立場を取る民主党とは対立し、新保守主義の立場を取る中道右派政党である。

共和党は大企業・軍需産業・キリスト教右派・アメリカ中南部の富裕層の保守的な白人層を代弁する政党である。基本政策として対外的には特にネオコンに見られるように武力を用いた民主化も辞さない介入主義を、国内では経済面で市場原理主義・新自由主義の立場を取り環境問題や福祉政策よりも経済効率や大企業の利益を重視する。倫理的には支持基盤のキリスト教右派の影響から、反同性愛・反中絶を強固に主張する。ただし、民主党と同様に党議拘束など政党の政策を各構成員たる議員に強制する仕組みが必ずしも強くないことから、対立候補ないしは各議員の所属する地域の特性に応じてある程度政策の幅を持つ。

英語ではGOP (Grand Old Party) が別称のひとつになっている。

民主党がロバをシンボルとしているのに対して、共和党は象をシンボルとしている。これは1874年に新聞に掲載された風刺漫画が発端となっている。

歴史

黒人奴隷制反対を掲げて1854年に結成される。連邦派と呼ばれるフェデラリスト、ホイッグ党の流れを汲み、かつては北東部、中西部を支持基盤とする政党であり、1860年にはリンカーンが初の同党出身の大統領になった。当初は知識層が支持するなど進歩的であったが、後にキリスト教右派を取り込むなど保守的な傾向を強めていき、民主党との政治的立場が入れ替わることとなった。1960年代以降は南部へ進出し、地盤を築いた。リチャード・ニクソン以降はこの地を地盤として多くの大統領を送り込んでいる。

大恐慌以降の民主党が経済・社会政策における再分配政策・弱者の救済・平等主義を重視するのに対して共和党は小さな政府や新保守主義の立場から大企業への法人税縮小、規制緩和、民営化を重視する傾向にある。また共和党は大企業の主張を代弁する政党であり、クリントン政権下でヒラリー・クリントンが提唱した国民皆保険制度を当初から一貫して反対し阻止に動いてきた。

環境問題については、地球温暖化問題よりも経済効率を優先する傾向がある。実際にブッシュ政権は京都議定書から離脱した。通商問題ではNAFTAなどの自由貿易協定やグローバル資本主義を積極的に支持する傾向にある。

外交政策において冷戦期は戦略防衛構想など積極的な軍拡を行い、また冷戦後は介入主義の立場を取り、湾岸戦争、ソマリア内戦、コソボ紛争、最近ではアフガン侵攻やイラク戦争を起こし参戦した。レーガン政権からいわゆるネオコン勢力が一定の主導権を握り始めたことも外交政策に影響を与えている。ネオコンと呼ばれる人々にはユダヤ系が多く、この勢力は中東地域での軍事行動に積極的であり、イスラエルの対アラブ諸国・対パレスチナの武力行使についても肯定する。特にゴールドマン・サックスなどユダヤ系大企業やロックフェラーなどのユダヤ系財閥から巨額の献金を受けているので極端にイスラエル寄りである。クリントン政権が進めていた中東和平プロセスはジョージ・W・ブッシュ政権になってから事実上崩壊し、同政権はイスラエルのガザ侵攻やレバノン侵攻などの侵略行為を黙認し続けた。

1950年代にはジョセフ・マッカーシーなど過激な反共主義者がいた。1972年にニクソン大統領が中国やソ連などの共産主義国とのデタントを先駆けて始めて以来、アーマンド・ハマーの様な支持者によって中道色が濃いサークルは一時的に存在した。ジョージ・W・ブッシュ政権でもイレーン・チャオ労働長官、ヘンリー・ポールソン財務長官といった一般的に親中派とされる人物を自身の陣営に引き入れており、ニクソン政権やレーガン政権の元高官といった顔触れの親中派ロビイストから圧力も受けている。従って、むしろチベット問題や人権問題で中国をとらえる民主党と外交姿勢は似てきている。また、親日派は数では多いとされており、日本の自民党との関係は良好である。ただし太平洋戦争を経験したいわゆる戦中派の議員からは歴史認識について日本政府を批判するケースがままある。

1994年の中間選挙以降、議会の上下両院において多数派を維持していたが、2006年に行われたブッシュ政権2期目の中間選挙では、イラク政策に対する批判や、所属議員の同性愛などの性的スキャンダルが重なって、支持率が低下した。共和党陣営はイラク政策にあまり触れず内政面での成果を強調して選挙を乗り越える意向を見せたが、結局、連邦議会の上下両院で民主党に敗れ、今後は野党の民主党とも一定の妥当をせねばならないと見られている。

2008年アメリカ合衆国大統領選挙では党内中道派の重鎮ジョン・マケイン上院議員やサラ・ペイリン・アラスカ州知事らが有力候補とされていた。しかし、民主党のバラク・オバマ候補に敗北しホワイトハウスを8年ぶりに民主党に奪還されることになった。

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